マイルドホラー小説 Unpleasant (仮)

メリークリスマス!

えっ。
住宅街にサンタクロース?
僕は目をこすった。
向こうから赤い服を着て、赤い帽子をかぶって、長い白ヒゲをつけたサンタクロースがやって来た。

 
 
さすがにサンタクロースがいないことくらいは僕にでもわかる。
もう小学四年生だし。
まあ去年までは、信じてたけど…。
 
…声をかけてみようかな。
ちょっと、ドキドキしてきた。
 
僕が、ジロジロ見てたからかな?
サンタクロースは急に立ち止まり、振り返った。
 
でもうつむいていたしヒゲをつけていたから、僕にはよくわからない顔だった。
 
 
よーし…。
早足で歩き出したサンタクロースの後を僕はつけることにした。
サンタクロースは辺りをキョロキョロしながら一軒家に入っていった。
 
一軒家の窓から中を覗くと、若い女の人と小さな男の子がいた。
 
「メリークリスマス!」
サンタクロースはそう言いながら、男の子を抱っこしている。
 
男の子がサンタクロースのヒゲを引っ張った。
 
 
ヒゲがはがれた。
 
 
 
「何だよ…パパじゃんか!」
男の子が残念そうに叫んだ。
 
 
 
 
 
…えっ。
何であの子のパパなの?
どういうこと?
ここで一体、何をしてるの?
…早く帰ろう。
震えが止まらないや…。
 
 
 
 
 
家に帰ってから、ずっと考えてる。
今年のクリスマスプレゼントは何を貰おうかなあ、って…。
 
 
 
ねぇ、サンタさん?
家族写真を見ながら、僕はニヤリとした。